【手書きの履歴書/氏名】筆跡診断士は氏名欄のここを見ている

履歴書

私は個人で500名以上を筆跡診断し、採用担当者としては手書きの履歴書、エントリーシートを1000枚以上見てきました。

今回はその中で私が履歴書の「氏名」欄について分析する際に診ているポイントをご紹介します。

採用担当者かそうでないかにかかわらず手書きの履歴書を見る際に最初に見るものはだいたい「氏名(名前)」です。
写真が貼付されている場合は、氏名を写真を見てセットでまずはインプットをします。

手書きの履歴書の見た目の第一印象を決める要素として強いものは下記2つです。
①ぱっと見の全体感(30cm程の距離の全体の印象)
②名前の印象

氏名は一生で一番書く字ともいわれており、ペン字の手本のレベルにまで書き上げられているような場合を除き、改まって書いたとしてもその人の雰囲気(個性)はそれなりに表れます。

履歴書の氏名はスペースの中心にバランスよく書くことがセオリーとされます。
また、自分を象徴する氏名ですので大きく堂々と書くことがよいと思います。

一般的に市販されている履歴書の氏名欄のレイアウトのバランスは
左右の余白、文字間の余白がある程度均等であること、
文字の大きさはスペース縦幅(高さ)の7割くらいを標準(平均)とすることが多いです。

なお、中途採用の際に社会人が書く履歴書の氏名は上記よりもやや小さいことが多いため、縦幅(高さ)の5~7割くらいの大きさを標準の目安としています。

なお、学校デザインの自己紹介書は氏名欄が非常に横長の場合があります。
その場合は、住所の長さとのバランスの関係で、必ずしもスペースの中心がベストでないこともあります。
また、氏名欄の縦幅(高さ)が狭い場合には、縦幅の8~9割くらいの大きさが標準となる場合もあります。

字は一般的には年齢を重ねるにつれてやや小さくなっていくと言われています。
字を習いたての小学生が枠いっぱいの大きさの字を書きますが、大人で枠いっぱいの大きさで字を書く人が少ないことからも見て取ることができると思います。

上記の通り氏名の文字の大きさは、私がこれまで見させていただいた履歴書は、
学生~20代半ば > 社会人(主に30代以上)と、年齢の若い方が比較的、大きい印象です。

従いまして、名前の大きさについては世代別におおよその平均値があり、標準に近いか、大きいか、やや大きめか、小さいか、やや小さいか、このあたりのポイントを初見で判断しています。

もちろん履歴書という特性上、標準の大きさを意識して書く方が多いということも頭の片隅に入れつつ、氏名を見た後で、学歴・職歴や、志望理由などの字の大きさを見ることで正確な判断となるように補正していきます。

続いては筆跡診断の視点から解説致します。

まずは文字の大きさ

大字型(標準よりも大きい)は
のびのびとして行動力があり、遠慮したり、控えたりしない方が多いです。
自身を持っている方も多く、はっきりと自己主張される方もいらっしゃいます。
大きければ大きいほど、その特徴が強いと判断をします。

小字型(標準よりも小さい字で余白が広い)は
おとなしい性格でムリをせず、派手にはしゃぐ、目立つ行動をしない方が多いです。
小さければ小さいほど、その特徴が強いと判断をします。

標準的な書き方の場合は、その中間のバランスと考えます。

続いて、氏名(名前)の書き出し位置以前こちらでもご紹介
通常はスペースの真ん中、中心部に書くことが標準となります。
(学校デザインでスペースが横長の場合は参考程度としてください)

全体的に前寄り
積極性が高め。とりあえずやってみるスタンスの傾向。

中央にバランスよく
計画的。ここぞの場面では、全体を把握しつつ進めていきたいタイプ。

後寄り(前にスペースが空いていて、後が詰まり気味)
慎重派。石橋をたたいて渡る、もしくは足を踏み入れない。

上記のような傾向があります。

例えば氏名が後寄りに書かれている場合、氏名以外の志望動機やその他の項目の書き出し位置も参考にします。それらが全体的に後寄り気味の場合、後寄りの特徴で間違いないと判定をします。後寄りの傾向があるのに、履歴書に「私は積極的な性格です!」といったアピールがある場合、どんなところからその判断に至ったのかを可能な範囲で確認したりします。面接に進んだ場合は、そのあたりの根拠なども含めて確認しつつ、判断をすることになります。

また、もう少し細かな話をしますと、業界(会社)や職種(職業)によっても字の大きさの平均値には差があります。
例えば、経理職の応募者は営業職などに比べると小さめの字を書かれる方が多いです。気分などに左右されずにおちついてコツコツ仕事を遂行するといった仕事は、大字型よりも小字型の方が結果的に多くなると考えられます。

ですので、採用担当者の方は、自社(または自分の業界)の平均値を体感で把握できておけると、より精度の高い判断ができるようになると思います。

いかがでしたでしょうか。

手書きの履歴書を診る際の参考にしていただけますと幸いです。

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